左舞は中国や印度支那方面から伝えられたもので、赤色系統の装束を着け、右舞は朝鮮地方や渤海国等から伝えられたもので、緑色を基調とした装束で舞われ、左舞は唐楽、右舞は高麗楽とも呼ばれ、演奏は一般的に左舞・右舞を一対(番舞という)とし、それが何組か舞われるのが慣例となっている。おん祭の御旅所祭では五番、十曲が舞われる。
これらの舞楽は、天下の三方楽所といわれた京都、奈良、天王寺(大阪)に伝わり、それぞれ特色ある芸能を受け継いで来た。現在、宮中の楽部にはこの三方から楽家が奉仕されているが、奈良は春日大社を中心に公益財団法人の南都楽所がこの南都舞楽の伝統を受け継いでいる。